ボイジャー1号の最終レポート-ヘリオポーズを通過したか-Natureより本日のサイエンティフィックニュース


NASA探査機、ボイジャー号は太陽系の果てで驚くべき事実を発見と題したニュース、及び論文を発表しています。
この中でレビューを抜粋して紹介します。

Voyager’s long goodbye
NASA probes find surprises at the edge of the Solar System.
Ron Cowen
Nature 489, p20–21 (06 September 2012) doi:10.1038/489020a

1977年に打ち上げられたボイジャー号は太陽系を何10億キロと旅し、太陽系の最果てに近づこうとしているーヘリオスフェア、即ち太陽から吹きつけられた電荷粒子の及ぶ範囲ーから脱出することが推測されいてる。その境界ーヘリオポーズーが9月5日、丁度35年目に情報を与えてくれた。プロジェクトサイエンティストのEd Stoneは”たった20年の宇宙空間の旅だが、これほど長く、そして太陽から遠くに行った探査機はこれまでない”と語った。

ボイジャー1号は8年前に太陽系の境界に関するヒントを提供した。しかし太陽系はStoneやその共同研究者が予測する以上に複雑な事象が絡み合っていた。ボイジャー1号からの太陽系に関する見えざる境界に関するデータは研究者のアイデアを一変させるだろう事実、を突きつけた。

最新の探査機は間もなく予期しないこの”死のゾーン”を通過するものと推測される。今週Robert Decker、ジョン・ホプキンス大学の研究者は本誌(Nature) にボイジャー1号の現在地が太陽から182億kmに達し、そして太陽風がほぼゼロになったことをレポートしている。(因みにボイジャー2号は約30億km近い距離にいるが、同じような太陽風速度の減少を観測している。

Deckerの研究チームはヘリオポーズでは過去の超新星爆発からの風によって太陽からの粒子が曲げられると推測していた。このアイデアをテストするためにボイジャー1号に計測機器を取り付けて計測を行った。しかしながら驚くべきことにその超新星爆発に因る影響はほとんどなく、宇宙空間はほぼ安定的であることがわかったのである。ヘリオポーズではこのことは起こりえない、とDeckerは語った。”我々はこの研究からヘリオポーズに近づいていないのではないか、と結論づけた。Decker及びその研究チームは2010年以来、即ち速度が落ち始めたことを記録してから、ヘリオポーズエリアが少なくとも10億kmの厚みを持っているのではないかと考えている。

しかしながらGary Zank、アラバマ大学理論物理学者はヘリオスフェアの外側では磁気圏フィールド上での衝突により粒子がスローダウンし、ボイジャー1号で観測されたような粒子速度ほぼゼロの状態が観測されたのだ、と異を唱えている。探査機はヘリオポーズに到達しているとした確たる証拠は得られていないが、今年5月にボイジャー1号は太陽系外からの宇宙線のバーストを先立って観測している。このことはボイジャー1号が太陽系の縁に近づいていることを示しているものであり、ヘリオポーズを年末までには横切る、または横切っただろうと予測している。

物理学者のDavid MacComasはまた別の説明を示唆している。アストロフィジカル・ジャーナルで、彼らはボイジャー1号は銀河の磁気圏の一部、ヘリオスフェアの外側の地域を移動しているのではないかと。その磁気圏は丁度銀河の宇宙線のいわば溝を作り出していてそこで宇宙線スパイクを観測したと推測している。ヘリオスフェア内部では宇宙線は加速され他の宇宙線のラインを動かす傾向にあり、このような現象はボイジャーでは捉えにくいとしている。よってヘリオポーズは通過していると言及している。

Scientific-Global.netより: 太陽系の最果てのデータから様々な見解をもたらしていますが、木星、土星、天王星、海王星の姿を鮮明に提供してくれたこのボイジャー号、次は2号になるでしょうか、まだまだ新たなデータを提供してくれています。次のレポートが楽しみです。


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