熱源利用と二酸化炭素回収に関する記事

人口光合成に関するニュースは最近出てきません。もちろん研究開発は続いているでしょうが、研究ですので成果が出るか出ないかは難しいところが当然あります。

 

そんな中、今回は熱源の効率的な利用と二酸化炭素の回収についての記事がGigazineさん経由でご紹介したいと思います。

 

 

夏の暑さをためておいて冬に暖房として使う「熱エネルギー保存装置」の開発が進行中 – GIGAZINE http://gigazine.net/news/20170113-empa-summer-heat-for-winter/

この記事は夏の熱を利用して水酸化ナトリウムを無水化?し、冬に湿気を利用して熱を発生させるというもののようです(間違ってたらご指摘願います)。本記事の写真には耐腐食性の金属を使っているのでしょうか?この辺りシリコン系、カーボン系の安い原料も開発されればよいかなと思いました。

 

 

二酸化炭素を低コストで回収&再利用する環境低負荷型の石炭発電所が既存の型を破る新しいモデルケースに – GIGAZINE http://gigazine.net/news/20170110-coal-fired-power-plant-baking-soda/

 

これまではアミンを媒体として二酸化炭素を吸収させているようですが(詳細は未調査ですのでどなたか参考文献等ありましたらよろしくお願いします)、この装置では最終的に重層を生成させる低コストのものを開発したようです。こちらもその効率など知りたいところですが楽しみな結果になっています。

 

 

 

太陽エネルギーから効率3%で水素を発生(NEDO発表)

こちらはエネルギー発生側でのブレイクスルーに関する記事となります。
“NEDOなど、水から水素生成で変換効率3%達成

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と三菱化学などの研究グループは、光触媒を使って水から水素を生成する人工光合成で世界最高水準となる3%の太陽光エネルギー変換効率を達成した。” http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161015-00010004-newswitch-sctch&pos=3

先日紹介したChem-Stationでも報告されています。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と三菱化学などの研究グループは、光触媒を使って水から水素を生成する人工光合成で世界最高水準となる3%の太陽光エネルギー変換効率を達成した。2015年3月に2%へ到達後、光触媒の作り方を改善して1年半で1ポイント向上させ、植物の光合成の10倍に高めた。寿命も延ばし、水素発生を安定化させた。今後は21年度に実用化の水準となる10%を目指す。(引用:ニュースイッチ 2015年10月15日)” http://www.chem-station.com/chemistenews/2016/10/photosynthesis.html

 

太陽光発電は現在18~20%程度と思われますのでまだまだですが、こちらのエネルギー発生側でのブレイクスルーも楽しみな結果が出ています。量産体制に入った時の生産効率も合わせて議論したいところです。

 

 

Chem-Stationウェブサイトより人工光合成に関する記事

化学系ポータルサイトであるChem-Station (ケムステ)ウェブサイトより人口光合成の記事が何本かありますので紹介したいと思います。

 

太陽光変換効率10%での人工光合成を達成 | Chem-Station (ケムステ) http://www.chem-station.com/blog/2016/06/photosynthesis.html

 

こちらは太陽電池そのものではなく、エネルギーを得た後からどのような形でエネルギーを貯蔵するのか、という点に関する論文で、Scienceに報告されています。

Liu, C.; Colón, B. C.; Ziesack, M.; Silver, P. A.; Nocera, D. G., Water splitting–biosynthetic system with CO2 reduction efficiencies exceeding photosynthesis. Science 2016, 352 (6290), 1210-1213.

の論文となります。これによりますとその後のバクテリア活動に支障をきたす過酸化水素水の生成をほぼ抑え、その後のアルコール生成の効率を上げている、ということが特徴となります。有機物の合成による貯蔵可能なエネルギー効率が54%程度、太陽光による発電が18%(現在の一般的な水準と思われます)ですので、トータル約10%のエネルギー効率となるようです。

 

このChem-Stationは化学ポータルサイトとして大変わかりやすく説明されており、引き続き紹介していきたいと思います。

 

 

人工光合成についてNature掲載論文を紹介(2)

こちらは自己組織化するナノコンポジット結晶を用いて、フォトキャリアの電荷分離過程の効率と水分解光電極の反応効率をそれぞれ向上させることに成功しています。Free Accessですので一度詳細に読んでみたいと思います。

 

酸化物半導体中に自己組織化して成長する金属ナノピラーによって高効率化する水分解光電極反応

Photoelectrochemical water splitting enhanced by self-assembled metal nanopillars embedded in an oxide semiconductor photoelectrode
2016年6月3日 Nature Communications 7 : 11818 doi: 10.1038/ncomms11818 (2016)

http://www.nature.com/articles/ncomms11818

中国における風力発電に関する動向

こちらもNatureからの記事になります。中国では近年の化石燃料排出から風力発電の建設ラッシュとなっているようです。風力発電は大規模なものから小規模なものまで比較的費用対効果の高い自然エネルギー発電として、普及してきています。

◆ 中国における風力エネルギーの大きな可能性
Nature Energy, 2016年6月21日
中国は、2030年に予測される電力需要の最大26%を風力のみで生み出すことができる可能性がある。

中国における風力エネルギーの大きな可能性 | Nature Energy | Nature Research http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/10740

 

小規模なものでも比較的発電できるため、家庭用にもほしいところです。自然エネルギーの生産は分散させたほうが、そしてエネルギー一般としての消費は集中させて効率を上げたほうが良いように思います。

人工光合成についてNature掲載論文を紹介

人工光合成について、日本での研究は世界をリードする存在となっています。今年2件ほどNatureにアクセプトされており、そのうちの1グループについてNatureからインタビューを受けています。リンクを紹介します。

 

地球温暖化やエネルギー問題を背景に、太陽の光エネルギーを化学エネルギーへと変換する人工光合成技術の開発が注目を集めている。その1つに「水を酸化して酸素、プロトン、電子を得る反応」がある。このような中、分子科学研究所、正岡重行グループは高い効率で酸素を発生させる鉄触媒を作り、Nature に報告した。筆頭著者である総研大博士課程3年の岡村将也さん(2016年4月より名古屋大学特任助教)に掲載までの経緯をうかがった。

岡村 将也氏:水から高効率で酸素と電子を生む鉄触媒 | Nature 著者インタビュー | Nature | Nature Research http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/interview/contents/14

 

やはり実用化可能なものなのか、エネルギー収支も含めたコストを計算したくなります。

もう少し様々な文献を当たって、もしできそうなものがあったら(0次オーダーでの)フェルミ推定を行い、試算を試みたいと思います。