めでたく第2回目である。前回は共分散式t=At+uを求めるところまでを示した。
この式と実際のデータを比べて各パラメータを推定してやるのが目的である。さてどうするか。
まずはtイコールの式にまとめてみよう。
Aは行列なので単位行列を使って、
t(I-A)=u
t=(I-A)^-1+u
ここでI:単位行列、括弧内は逆行列となる。構造変数が平均偏差化された変数であるとすると、
tとtの転置行列t’を掛けあわせて変数の数で割ると分散共分散行列を求めることができる。掛けてみよう。
tt’/n = (I-A)^-1 uu’ [(I-A)^-1]’/n
uu’/nは外生変数の分散共分散行列そのものであるからΣuと式を書き換えると(少し式が複雑になってきたのでLaTexを使う)
ここで左辺のΣはtに関する分散共分散行列(tt’/n)を書き換えたものである。
ここでtt’の中身を少し見てみよう。もともとtはfとxから成り立っていたので、tt’を求めた時には行列の内積を計算すると大雑把に以下のように分けられるのがわかると思う。LaTexを使おう。
ここでΣxxに着目してみよう。そもそもxは実際に観測した変数、データである。よってこれらの分散共分散は実データと比較することができるのでこれを計算すればパラメータを推することができる。
実際にこの分散共分散を求めるにはこの部分を切り出してやれば良い。
切り出すには行列の右下をくり抜くように取り出してやる必要がある。しかしながら行列計算のちょっとしたテクニックによりこれをくり抜くことができるのである。
フィルター行列というがこれを左右から掛けてやる。フィルター行列をFとし、左側からFを、右側から転置行列であるF’をtの分散共分散行列(一番上のLatex式)に挟み撃ちのように掛けてやるとΣxxを「切り抜く」ことができる。
実際のデータで見てみよう。
、、、と思ったが少々長くなったので続きは第3回目に記そう。このシリーズ、少なくとも3回は行けそうである。